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【札幌の弁護士が解説】退職金は財産分与の対象になる?

退職金が財産分与の対象になるかどうかは、離婚協議や調停の場面でしばしば争点となります。

とはいえ、「まだ退職していないから関係ないのでは?」「すでに使ってしまった場合は?」と疑問を抱く方もいらっしゃると思います。

今回は退職金が財産分与の対象になるかどうかを、それぞれ想定されるケースごとに説明します。

退職金は財産分与の対象になる?

退職金は、働いたことへの報酬として支払われるもので、「給与の後払い」に近い性質を持つとされています。

そのため、婚姻中の勤務によって得られた部分は「夫婦で築いた共有財産」とみなされ、分けるべき対象とされることがあります。

ただし、退職金の支給時期や実際に使ったか、支給される確実性などによって分与できるかどうかが変わります。

 

受け取った退職金が「手元に残っている」

すでに退職して退職金を受け取り、その金額が預貯金などの形で残っている場合は、原則として財産分与の対象になります。

 

受け取った退職金が「手元に残っていない」

退職金を受け取ったあとに使い切ってしまっており、現金や預貯金として残っていない場合は、原則として財産分与の対象にはできません。

 

退職前だが支給が「確定している」

退職前であっても、退職金の支給が明確に定まっており、将来受け取ることがほぼ確実であるというような場合には、原則として財産分与の対象として扱われます。

 

退職前で支給が「不確定」

退職金制度があってもその支給が確実といえない場合、次のような財産分与の対象にならないことがあります。

 

  • 業績や評価により支給額が大きく変動する
  • 支給が会社の裁量に委ねられている・規則に明記されていない
  • 離婚時点から定年退職までの期間が長い
  • 退職金制度の変更・廃止が予定されている

財産分与の対象になる範囲

退職金の全額が対象になるわけではなく、婚姻期間と重なる勤務年数分のみが共有財産とみなされます。

たとえば、勤続年数40年のうち婚姻期間が25年であれば、財産分与の対象となるのは25年分となります。

また、分与は夫婦で2分の1ずつ行うのが原則のため、実際に受け取れるのはさらに半分の12年と6ヶ月に相当する金額となります。

まとめ

婚姻期間中に築かれた退職金は、夫婦共有の財産とされ、原則として財産分与の対象になります。

ただし、離婚から退職までの期間や支給の確実性、受け取った退職金が手元に残っているかどうかによって、財産分与の対象外になるケースもあります。

ご自身のケースで退職金が対象となるか不安な場合は、弁護士に相談することも検討してみてください。

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弁護士

細川 晋太朗ほそかわ しんたろう
所属団体
札幌弁護士会
経歴

2010年 北海道大学 卒業

2012年 北海道大学 法科大学院 修了

2014年 札幌弁護士会 登録

2014年 札幌の法律事務所に入所

2018年 札幌第一法律事務所を開所

弁護士

菅井勇人すがいはやと
所属団体
札幌弁護士会
経歴

2008年 北海道札幌西高校 卒業

2012年 北海道大学法学部 卒業

2014年 北海道大学法科大学院 修了

2015年 札幌弁護士会 登録

2015年 札幌市内弁護士事務所 勤務

2018年 札幌第一法律事務所 開所

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事務所名 札幌第一法律事務所
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