離婚の種類と手続き
■離婚の種類
離婚には、①協議離婚、②調停離婚、③審判離婚、④裁判離婚の4種類があります。
日本では、①の協議離婚が離婚全体の90%を占めており、次いで②の調停離婚が8~9%、④の裁判離婚は1%程度です。
③の審判離婚は、年に100件ほどしか行われず、全体としては0.1%にも満たないとかなり少なく、極稀に採られる手段といえます。
●協議離婚
協議離婚とは、夫婦が話し合って離婚の合意をし、市区町村の役場に離婚届を提出して受理されれば成立する離婚をいいます。
●調停離婚
調停離婚とは、協議による離婚が難しい場合に、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることによって行う離婚です。
調停離婚では、調停委員を交えて話し合いをします。調停委員が、当事者を別々に個室に呼び出し、言い分や気持ちを聞いて両意見の調整を進めていきます。第三者である調停委員を挟んで、両当事者が顔を合わせることなく行うことができるため、比較的冷静に手続きを進めることができます。
そして、調停の結果、夫婦間で合意ができた場合には、調停調書を作成することで離婚が成立します。
●審判離婚
審判離婚とは、調停離婚が成立する見込みがない、または、成立しなかった場合に、家庭裁判所が調停に代わる審判をすることにより成立する離婚です。
離婚審判が行われるのは、離婚について実質的には合意をできているにもかかわらず、当事者の一方が入院や入獄をしている等の理由で調停に出頭できない場合などに限られます。
審判離婚は、当事者が離婚審判の告知を受けた日から2週間以内に異議を申し立てることで、その効力を失います。
●裁判離婚
裁判離婚とは、相手の拒否等により調停離婚が成立しなかった場合に、家庭裁判所に離婚訴訟を提起することで行う離婚です。
裁判離婚をする際には、原則、事前に調停手続きを経ていることが必要です。
そして、裁判離婚が認められるためには、民法上で定められた離婚原因(民法770条1項)があることが必要となります。離婚原因は以下の5つです。
・相手方配偶者に不貞行為があったこと
・相手方配偶者に悪意で遺棄されたこと
・相手方配偶者の生死が3年以上明らかでないこと
・相手方配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
・その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき
もっとも、離婚訴訟の被告になった配偶者が原告側の請求を全面的に受け入れると「請求の認諾」により離婚が成立し、裁判が終了します。
このように成立する離婚を「認諾離婚」といいます。
また、訴訟手続中に当事者が離婚をするとの裁判上の和解が成立した場合にも離婚が成立することがあり、このような離婚を「和解離婚」といいます。
■離婚の手続き
離婚の手続きとしては、一般的には、まず協議離婚を検討し、それが困難であった場合は調停離婚、それも無理であれば審判離婚、最終的に裁判離婚、と進んでいきます。
そして、離婚の手続きは、その離婚の種類によって異なります。
●協議離婚の場合
①夫婦間で離婚の条件について話し合いをする。
②離婚について合意した後、合意の内容を公正証書として作成し、離婚届を市区町村の役場に提出する。
①で話し合って決めるべき事項としては、財産分与、養育費、親権者、離婚後の姓、慰謝料、面会交流、婚姻費用の清算、年金分割等が挙げられます。
また、②について、必ず公正証書を作成しなければならないわけではありませんが、財産分与や慰謝料、養育費等の離婚について合意した事項について、後から紛争に発展しないためにも、証拠として残しておくことが重要となるため、できる限り作成した方が良いといえます。
●調停離婚の場合
①家庭裁判所に調停を申し立てる。
②調停期日に、夫婦それぞれの側から調停委員が話を聞き、それぞれの意見の調整をする。
③当事者が合意に至った場合は、調停調書を作成する。
④調停が成立してから10日以内に、離婚届と共に調停調書謄本を添えて、市区町村役場に提出する。
●審判離婚の場合
①実質的に離婚について合意があるにもかかわらず離婚調停が不成立になることが見込まれる場合、裁判官の職権により、審判離婚の決定が下される。
または、②初めから家庭裁判所に離婚審判を申し立て、審判離婚の決定が下される。
●裁判離婚の場合
①家庭裁判所に離婚訴訟を提起する。
②裁判期日において、当事者双方が主張・立証する。
③当事者等に対する尋問の実施。
④裁判所の和解案や判断により、離婚の可否や慰謝料額等が決定される。
⑤離婚を認める判決が確定した後、10日以内に、離婚届と判決謄本と確定証明書を添えて、市区町村の役場に提出する。
⑥判決内容が不満である場合は、判決書の送達を受けた日から2週間以内に控訴を提起する。
札幌第一法律事務所は、札幌市を中心に、相続、離婚、交通事故、不動産、企業法務などの幅広い法律問題に対応しています。
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Lawyer
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- 所属団体
- 札幌弁護士会
- 経歴
-
2010年 北海道大学 卒業
2012年 北海道大学 法科大学院 修了
2014年 札幌弁護士会 登録
2014年 札幌の法律事務所に入所
2018年 札幌第一法律事務所を開所
- 所属団体
- 札幌弁護士会
- 経歴
-
2008年 北海道札幌西高校 卒業
2012年 北海道大学法学部 卒業
2014年 北海道大学法科大学院 修了
2015年 札幌弁護士会 登録
2015年 札幌市内弁護士事務所 勤務
2018年 札幌第一法律事務所 開所
事務所概要
Office Overview
事務所名 | 札幌第一法律事務所 |
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代表者 | 細川 晋太朗(ほそかわ しんたろう)、菅井勇人(すがいはやと) |
所在地 | 札幌市中央区南1条西9丁目5番地1 札幌19Lビル8階 |
TEL/FAX | Tel.011-206-9860 Fax.011-206-9859 |
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定休日 | 土・日・祝日 (事前予約で休日も対応可能です) |
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